1年生の専門士科目「総合基礎」

様々なデザイン分野の先生が「多角的視野」をもって「アイデア」をカタチにしていくため、課題設定をされます。学生たちは、先生からの教科計画書を読んで選択をする選択科目です。

 

グラフィックデザイナーでありイラストレーターでもある片山先生は、「つくる→かんがえる」のプロセスを通じて、実際に手を動かし描き、形作ることで画材・材料などから得られる声を聞きながら実制作へとつなげていくことを目的に授業を展開されました。

まずは、手のひらサイズの複数(10個以上)の立体物を各自でいくつか準備し、観察。正面や側面などを描きます。

特長をとらえながら描いたスケッチから、今度はそれぞれのパーツを組み合わせ新しい生命体として創造していきます。

 

創造するの3種類の生き物。

色鉛筆やコピックマーカーを使って着彩まで行います。

 

 今度は、着彩した新しい生き物をクラス内でシャッフル。

 手元にきた生き物と自身が描いた生き物とをさらに合体させ

 新たな生き物へと進化させていきます。

 それをまた3種類描いてから、その中の1つを立体化してい

 きます。

 

 長い道のりを経て、立体化されたのが⬇

なんとも独創的な生き物が誕生していますね。(掲載したのは授業を受けた中から先生の推薦を受けて掲載しています)

立体化するにあたり、「手のひらにのるサイズ」「2点以上制作」という条件もつけられました。

 

  担当教員からのメッセージ

平面作品がとてもしっかりと描けていました。着色も丁寧で色も美しく、明暗も表現できていました。組み合わせもそれぞれの特徴を活かしてユーモラスに描けています。立体作品も細かな所まで意識をむけて制作できていました。特に耳(もしくは触覚)の部分の枝とビニールの組み合わせや脚の部分の枝+金属+ティッシュ、胴体部分に使った樹皮などが、自然素材をいたした所と自然素材とケミカルな金属的な素材を合わせた部分を両立させていて良い作品に仕上がっている感じました。首の部分のボタン+フェルトの丁寧さも魅力ですが、もっとこの部分が目立つようにしてもよかったと思いました。脚先は水かきのような部分も赤い色がアクセントになっています。

 

 

担当教員からのメッセージ

不思議なバランスの生き物を生み出せていたと思います。スケッチもカラーチャートなど細かな部分まで色々と思考をビジュアル化して残していたのが印象的でした。立体作品は様々な工夫が作品から浮かんでくるのが素晴らしいです。視覚的にも”触感”をちゃんと感じられるように表面的な処理だけでなく細かな所まで神経が行き届いています。多くの素材を使っていますが、すっきりとまとまっていて、でも物足りなさは感じない出来上がりだと思っています。それは素材感を活かした部分があったり、逆にどんな素材なのかわからいないようにしたりと様々なアプローチで制作したからだと思いました。身体を台座につけている人が多い中で、細い脚でバランスをとりながら身体を浮かせていたのも成功していると思います。脚が歩いている途中のようなバランスなのもgood!台紙の中での配置場所も中心を外し少し斜めに置き、記入票とのバランスを考えたベストチョイスの位置でした。

 

 

担当教員からのメッセージ

動物や小物のチョイスやそれを結びつけて作り出す世界観がオリジナリティを感じさせて、どの作品もすごくよかったです。丁寧さに加えて着色もしっかりと強く描かれていました。立体作品もコウモリの持つ少し怖いゾクッとした部分を残しつつ、コンタクト洗浄機のメカニカルな部分が不思議な融合を見せて、まさに”新しい生き物”という感じでした。色々な素材を使用していますが、それらもただ合わせただけでなく素材を活かしたり逆に抑えて使用したりと色々なアプローチでまとめあげているのが良かったです。正面から見た時の印象と横から見た時の印象が違うのも面白いですね。一見アシンメトリー(左右対称)に見えますが左右で素材や処理の仕方を変えたりなどの工夫も伝わってきます。

 

BACK to TOP