1年生の専門士科目「総合基礎」
様々なデザイン分野の先生が「多角的視野」をもって「アイデア」をカタチにしていくため、課題設定をされます。学生たちは、先生からの教科計画書を読んで選択をする選択科目です。
アートディレクターの中前先生は、「脳のシャッフル(論理)と手の思考(感性)の両輪を高める」ことを到達目標に授業を展開されました。
現代では当たり前になっている写真や映像、アニメーションなどの視覚イメージの原理を学習しながら、段階的に制作実験を行い、「イメージや図像の可視化」や「制作プロセスの思考」を養い作ることで創意工夫を深める。最終課題としては、カメラオブスキャラとオリジナルアートブックの制作提出で採点されます。
言葉で書くと簡単に終わってしまいますが、なかなかこれが難しいところです。学生たちは試行錯誤しながら作品を仕上げていきました。
12回で行われる授業では、
・写真、映像、アニメーションの原点、視覚錯視の原理を知ることで、新たなアイデアにつなげる。
・様々な材料体験、加工方法などを通して作ることの作法を高める。
・作って考えることを繰り返すことで、発想の柔軟さ・深さを養う。
をポイントに、最終課題制作に向け、アイデアをだし、企画書を制作し、中間プレゼンを行いました。
中間プレゼン後は、再度企画の練り直しやブラッシュアップを重ね、ただの作るだけでなくデザイナーとして企画立ち上げから制作までのプロセスを体感していきます。
作品提出後は、先生からの選抜で3名の作品を1階エントランスギャラリーにて展示しました。今後もどんどんよい作品が出来上がってくることを楽しみにしています。
担当教員からのメッセージ
カメラのプランからブックのアイデアまで連動した考えで、ラフスケッチもしっかりできていました。
特にカメラの独創的な難しいカタチや機能性も再現できていて、仕上り完成度が高いです。ブックの内容、編集、構成も創意工夫ができていて、楽しさが伝わってきました。
単なるトイカメラではなく、連れて行きたくなるオブジェとしての楽しい体験型アイデアが文句なくいいです。
カメラのパッケージの開け閉めがもう少し簡単な方法があったのではないでしょうか。
担当教員からのメッセージ
全体の発想アイデアがシュールでオリジナリティがあります。みほり(架空の女の子)とヘビというキャラクター設定での物語的発想方法がユニークで不思議な世界観で展開していて、制作者の豊かな感性が感じられる作品になっていました。
カメラは、特に布と刺繍の面白さがあり、機能性も考えられています。
フォトアートブックの方も、感光紙写真と別に自分で撮った写真をもとに加工してファンタジックなイメージを表現していて完成度が高いです。
担当教員からのメッセージ
カメラのアイデアが「お出かけ」で、カバンそのものがカメラになっているのと、本革素材で表面的にみるとカバンにしか見えない完成度で、特に本革素材でつくる難しさがありますがよく制作できています。
またアイデア段階でのラフスケッチなどもしっかりわかりやすく描けています。フォトアートブックも「お出かけ」をテーマに内容構成されていて、一貫性が感じられます。内容のレイアウト処理で、切り貼り方法に少し工夫が欲しかったです。特に背景が白地なんおで下のクラフト紙が活かせていないのが残念です。白い背景をクラフト紙の素材に合わせたイメージにする加工がありますよ。