活躍中の卒業生

卒業生インタビュー

  • インテリア専攻

ここで出会う友達は、普通の友達とも違うし、会社に⼊ってからの友達とも違うから

株式会社船場     エシカルデザインラボ チーフプランナー

デザイナーとして様々な空間や施設などに携わりながら、企業が掲げるエシカル推進を社内外でイベントなど企画することで⾃社スタッフだけでなくクライアント、同業他社へ働きかけを⾏い、企業ブランドイメージアップに貢献。

略歴:⼤学卒業後、⾃分探しの旅に2年ちょっと海外へ。

その後、本校グラフィック専攻に⼊学、途中で専攻変更し、インテリア専攻で卒業。卒業後に現在の職場。

=2025年度学生募集 デザイン 学科紹介パンフレットより= 卒業生インタビュー ロングバージョン

▶⼊学を決めた理由

専⾨学校のイメージがあんまりなかったから、とりあえずいろいろな専⾨学校に⾏ってみ ました。創造社以外は「わちゃわちゃ」していて、若い⼦が多いなぁ〜という印象。その当 時はマンガやCG を中⼼にしている学校も多かったので、それを学びたいわけではないと 感じつつ、最後に創造社を⾒学して雰囲気が「落ち着くわ〜」って思ったのが決め⼿。当時 の社会状況的にも⼿に職をつける必要を感じていたから、落ち着いて学べる環境は⼤切で した。

▶⼊学して良かったと思ったこと

先⽣、クラスも含め専攻以外の⼈たちとも関わる機会が多かったこと。⾃分の専攻以外の学 びに触れられる機会は利点だと思います。 今の仕事をしていて実感するけど、マルチ的なスキルを求られることが多くて。絵も描けな いといけないし、グラフィックもできないといけないし、建物もたてられないといけないみ たいな。

▶⼀番印象に残った授業は何ですか

専攻でいえば吉村先⽣の授業ですね。どの科⽬だったかというとはっきり覚えてないけど、 吉村先⽣の授業で作った私の作品が⼀番⾯⽩かったなって思ってます。

創造社は教室の作 りが特殊で、他の専攻の授業も⾒れたりするから専攻以外でいえば、プロダクトの学⽣がペ ットボトルを使って何かプロダクトを作るって課題が印象的でした。めっちゃ学⽣が苦労 してて。だってペットボトルで美しく新たなプロダクトを創るってめっちゃ難しいやん! どうやったてペットボトルやしね。それをデザインで解決していくて、ほんますごいなと、 ⾃分の専攻の授業じゃなくてよかった〜て感じでした。

▶在学中の授業もしくは教えてもらったことで、現在の仕事に役に⽴っていること

CADスキルですね。模型を作れるスキルは持ってても役⽴つとは思うけど、やっぱり仕事 となるとデジタルスキルは絶対⼤事で、今はB I M(Building Information Modeling:3D ソフト)でクライアントにプレゼンすることも多いですね。デジタルスキルはきっちり⾝に つけておくべきですよ。

▶卒業後、同級⽣や先⽣⽅とのつながり

グラフィックとか専攻以外の同級⽣とも繋がっています。もともと⼊学時点ではグラフィ ック専攻でしたが、途中でインテリア専攻に変更したことや、私の学年はインテリアが少な かったから、⾃然と他の専攻の⼈と仲良くなっていきましたよね。

▶現在の就職先の企業もしくは職業を選んだ決め⼿を教えてください

実際、インテリアの内装業では選択肢なくて、今の会社しかなかった。イベント系展⽰会の 会社もあったけど、実際受けてみたら「なんかちゃうし、テンションも違うな〜」て思った ので。

▶現在、どんなお仕事をされていますか

現在の会社は、エシカルとデジタルの両輪でやっていくってなっていて、その推進が主な仕 事です。 エシカルって倫理的なっていう⾔葉の意味があるけど、要はサスティナブルだとか環境に 配慮したものプラス⼈の空間をつなげて、未来にもっといいものを残していきたいという 意味合いで使っています。

内装業って3〜5年で作っては壊して、また新たに⽴て直す。そうすると廃棄物がとにかく多い業界です。最初はその廃棄物をいかに減らせるかから始め て、ゴミを分別して資材として活⽤(リサイクル)していこうとなって、そしたら、そもそも選ぶ材料から考えて使わないと捨てる時に困るということに⾏き着いたんです。捨てる時のことを考えないといけないし、そもそも選ぶ物への考え⽅に変えようから、エシカルデ ザインをトータル的に考え、空間を作る時の意識を変えていこうとなりました。

実際、オフィスにエシカル素材やリサイクルした物を展⽰するスペースを作っていて、誰でもそれを ⾒えるようになっています。 どれだけ廃棄物を減らせたかを会社の中で数字として、ちゃんと残せるか。うちの会社で作る空間は、そういったエシカルマテリアルを使っていけるかを会社の中で活動し同じマインドで働ける⼈を増やし数字につなげていけるかが私の仕事です。

▶仕事をする上で難しいことはありますか

エシカル推進するにあたり、今までデザイン性や意匠性を優先して選んできたものを、エシ カルに、環境に良いものを選ぶという意識に変えてもらわないといけないのが、やっぱり難 しいですよね。

特に案件を担当する社内スタッフに、このことを理解してもらうことが⼤変 です。もちろん、単純に変えればいいだけでなく、そのことに対する知識もいるし、それを 理解してクライアントにどう提案するかという⼒もいるし。

そのために今は定期的にウェビナーなどでメーカーさんから素材の勉強会のようなものを やってもらって、社内スタッフの知識を増やせる機会を作ったり、会社としての取り組みを イベントとして社内で展⽰している資材を⾒られる機会を作ったり、先進的な材料を作っ ている企業やリサイクルに⻑けた⼈などを集めてフォーラムを開催したりしています。

クラ イアントの意識もエシカルに変えてもらうことが⼤切なので、どれだけこの活動が「意味が ある」のかを伝えていくために開くこともあります。うちの会社だけが意識⾼くやっていて も意味がないので、いろんな⼈たちを巻き込めるかが⼤切だと思っています。

▶今までの仕事の中で、⼀番印象に残っている仕事はなんですか

千葉にあるグランピング複合施設「いすみグランピングリゾート&スパ ソラス」ですね。

ちょうど育休に⼊る前に携わっていた案件で、まさに今は私が取り組んでいるエシカルマ テリアルを採⽤してもらった施設です。地⽅だったということもあり、⾃然がいっぱいある ところだったからこそ、すんなり受け⼊れてもらった気はします。この案件は私の仕事であ るエシカル推進の要素を全部といっていいほど詰め込めた仕事でした。

▶卒業時点で今の⾃分を想像できていましたか まったく想像していなかった

卒業した時にはインテリアデザイナーになりたいなと思っ ていたぐらいかな。でも今の仕事をしていて「インテリアデザイナーです」っていうことは あんまりないです。「デザイナーです」が⼀番多いかな。思っていたより分野が広かったっ て感じかな。

▶この先、どんな⾃分になっていきたいですか

今、いろんな⼈や業界の⼈と関わりながら仕事ができているので、このまま続けていきたい と思っています。その上で究極を⾔えば、場所に縛られない働き⽅ができたらいいなとも思 ってますね。

▶仕事をしていて難しいと思っていることはありますか

「キャリア」と「⼦育て」と「⾃分のやりたいこと」とのいい感じのバランス。

今も働き⽅としては結構⾃由な⽅だとは思いますが、在宅勤務と必要に応じて出社したり だけど、⼀⼈だった時と違って「⼦育て」の時間が増えたところが難しいですね。

仕事終わ って、⼦育てして、さぁ⾃分の時間って、正直⾃分の時間は取りにくいのが現状。

これも仕 事ではあるけど、アイデア考える時間とか、デザイナーとしては別にないといけないですよね。実際、会議やクライアント打ち合わせとか、現場⽴ち会いとかは仕事として時間がとら れるけど、それ以上にデザイナーとして「考える時間」を作り出すは、何時間あったら⼗分 って話じゃないから難しい。考える時間にここまでやったら「おしまい」みたいなものはな いし、時間をかければかけるほど、いい仕事ができるとも限りなかったりもする。でもしっ かりアイデア出しいかないとクライアントにも申し訳ないし。

笑い話ですが、今、私のスケジュールは社内で共有されてて、考える時間もスケジュールの中に⼊れてたりするんだけど、それをみて他の部署の⼈は「考える時間」=「時間が空いて る」とみなされて、勝⼿に会議とかスケジュールに組み込まれちゃって。いやーそうじゃな くてって思うんですけどね。難しいですね。

▶これから本校で学びたいと思う後輩たちに学校⽣活や学びについてアドバイス

創造社でできる友達は、これから付き合いの⻑くなる「仕事を共有できる友達」だと思うの で、この出会いを⼤事にしてほしいです。ここで出会う友達は、普通の友達とも違うし、会 社に⼊ってからの友達とも違うから。

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