色の価値 その8〜赤い商品が伝えたいこと

色が人の心理や行動動機に多大な影響を与えるということはもはや常識であり、商品 のビジュアルにおいては最重要要素の一つであることは御存知かと思います。

例えば、多くの乳製品が並ぶスーパーの陳列棚はどんな色彩になっているでしょうか。 乳製品といえば概ね冷たさや清潔感を連想させる青系統つまり寒色系の色が定番ですが、 この写真においては、あざやかな赤色のパッケージが一際目立っています。

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「色の心理的効果」という根拠の多くは「人がそれまでの経験の中でその色を見て何 を連想するか」という積み重ねから生まれていると思われます。

「赤」という色から連想する言葉を統計に採ると、「生命」「夜明け」「火」「リーダー」 「パワー」「血潮」など、力強さを感じる言葉が上位を占めるというデータがあります。色彩心理やインターフェイスの授業でも毎年データを採るのですが、やはり上位を占め る言葉は一般的に言われていることと同じような結果になります。

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「強さ引き出す乳酸菌」というキャッチコピーの ヨーグルトとヨーグルトドリンク。  高品質の乳酸菌が使われていることが特徴であるこの商品のボディーカラーにあざやかな赤が使われ ていることは、青系が多い他のヨーグルトとの差別 化が計るだけでなく、とにかくその「強さ」が一番 の「売り」であることが伺えます。

それとちょっと遊びの要素が強い色の話なのですが・・・

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靴下メーカー「FUKUSUKE」の直営店舗には 「福助開運ストラップ」という「ガチャガチャ」 が設置してあり、◯◯運ごとに色分けされた福助 の中でも赤色の福助は仕事運を意味します。

 

 

なるほど、「パワー」や「リーダー」を連想し やすい赤=仕事運はたしかに納得しやすいかも。

最後にまた違う視点から選ばれた商品の赤についてのお話をひとつ。

「PRODUCT RED」は、世界的メーカーが共通ブランドの商品の売り上げの一部を国連 グローバル基金に寄付するというキャンペーンです。

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写真の商品はApple社のものですが、その対象となる商品の色はどのメーカーの商品 もすべて赤をベースに白いロゴが印刷されています。

これらの赤には、HIV/AIDS感染で苦しんでいるアフリカの女性や子どもたちを助ける という強い願いや想いが込められています。

血液を連想させるせいなのか、先ほども少し触れたように、赤には「生命」との深い 関わりを感じさせるということもあるのでしょう。

そしてこの赤はおそらく・・・「緊急事態」であるというメッセージも。

色は単純に美醜や流行を楽しむだけのものではなく、時には言語やジャンルを超えた メッセージの共有を可能にするツールでもあるのです。

 

文:小原 知美  先生(本校教員:主にディスプレイ領域の授業を担当)

小原先生

 

小原 知美 先生

Color planning studio VISION 代表
VMD アドバイザー セミナー講師 東商1級カラーコーディネーター
(社)色彩検定協会認定色彩講師No.131

 

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